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岡本 和樹 様 株式会社
テンカラーズ 一級建築士事務所
作品名:闇を切り取る扉 |
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スイッチをON-OFFするという灯りを着けるためだけの行為に依らず機械的に感応して着くのでもなく、ごくありふれた日常行為に伴って燈る。 光源は独立した形態を持たず、壁から光が溢れだすように設える。 光は扉が開いた瞬間に点灯し、その挙動とともに闇を切り取る。開く軌跡に伴い闇はその刹那の間だけ豊かに表情を変える。扉を開くという目的行為に伴って切り取られた闇はその行為者にとって漠としたものではないが故に、その人は眼前に現れた闇に思いのほか魅入られる。 例えばそこにあるのは、母親が寝顔を見るために子供部屋の扉を開いたときに穏やかに寝ている子の存在を含んだ大切な闇なのかもしれない。
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寺岡
豊博 様 一級建築士事務所 CODE INC. 代表 中央工学校建築工学科 兼任講師
作品名:Strings |
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光と闇の美しさを等価にとらえ、光束を塊から線へと分解することで双方の対比を淡く描いてみた。 ここではLED光の高指向性に着目し、その光密度の高い光域の中に、床と天井を結ぶ無数の糸を巡らせる。受光した糸の結界の中は光が充満しているかの如く闇から切り取られ、そこに新たなポテンシャルをもたらす。
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西
毅徳 様 多摩美術大学 環境デザイン学科
作品名:明暗境界線 |
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夜になっても街中は光で溢れている。 そこに光が届かない暗がりがあれば人はそこを照らそうとする。 明るいことに馴れ、暗いと不安にかられる。現代は光の中に闇が出来てしまったかのよう。 室内においても寝る時以外は明かりに照らされた生活に馴れてしまった私たちは闇を遠ざけているのではないか。 明暗境界線とは惑星において光の当たっている明るい昼側と暗い夜側の間にある線のこと。 明白なコントラストによって光の境界線を作ることで闇を再認識できる。 自由に光で空間を切り取ることで明るい空間に闇も共存でき遠い存在となってしまった闇を思い出し、闇の魅力をもっと身近に感じてもらえる明かり。
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岩田 穣 様 株式会社
多摩設計 代表取締役
作品名:闇を求める |
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「あかり」を通じてロマンが語れないかと考えた。 また、「あかり」を通じて現代文明を批評することはできないかとも考えた。 そんなコンセプトからこのあかりを提案します。 この照明にスイッチはありません。ON・OFFではなく、周囲の明るさに反応し、反比例しながら発光の強さを変えます。自分の光や同じ波長の光には反応しません。 薄暗い場所では儚く、暗闇の中では力強い光を放ちます。 漆黒の闇が無い限り、完全には光りません。 闇の存在が難しいことを我々に気づかせ、警告をする、それがこのあかりに託すロマンです。 私たちにとって闇は必要です。美しい星空、淡い蛍の光、闇夜の月あかりの全てが私たちの原風景ではないでしょうか。
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荻原
雅史 様 一級建築士事務所 荻原雅史建築設計事務所 主宰
作品名:300秒が作る宵闇 |
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これは300秒(5分)かかって消灯するLEDの提案です。
スイッチをOFFにすることで簡単にその場を明から暗に反転させることになれてしまった私達。
夕陽が徐々に夜をもたらす宵の間は、かえって情緒ある闇の存在を私達に気づかせてくれるような気がします。
このあかりは、そんな宵の口の闇を楽しむあかりです。 |
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富崎 一真 様(写真中央) 日本工学院八王子専門学校建築設計科 2年 2級建築士
共同設計者 山本 紘久 様(写真左)/松村 哲志 様(写真右)
作品名:闇か 光か 光か 闇か いずれにしても 光はほそく そして
闇は深く |
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ソイトイウコト 日本のすまいは明るすぎる気がする もっと“暗いところ”と“明るいところ”があってよいと思う このあかりは今より少しだけ細いひかりを発するペンダント照明である これにより闇の中に光の場が生まれ 闇に深さが生まれる
ペンダント ―真下への光― ふつうのすまいではスポットライトをあびせるほどの ヒロイックなものは見当たらない だからスポットライトではなくペンダントを選択する ねらうのではなく、そこにたまたま垂直に差し込む光なのだ それはあたかも深い森にさす木漏れ日の様に...
LED その高輝度、省電力が 今より少しだけホソイあかりを生み出している
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濱中
直樹 様 ハマナカデザイン スタジオ代表
作品名:Circle Liner
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これは動的な環境を編み出すための、照明器具と操作用システムの総合的な提案である。 まず、器具をデザインすることの前に、あかりによる環境のつくりかたを提案したいという思いがあった。 ライン状のLEDモジュールを円弧状に分割して配置し、それを様々な端末にインストールされたアプリケーションを介してコントロールする。 器具の取付箇所は天井、壁面などを問わない。 闇の深度、方向のコントロール、ロウソクあかりのたゆたいを再現するなど、アプリケーションとの連携により可能になることは想像以上に多岐にわたる。 光のうつろいを動的に扱う手段を得ることで、同時に闇の演出が可能になると考えている。
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